型稽古に対する戦技研の試み2

合気道において想定した状況に対応する技は、下図のようになります。円の内部の縦横の直線として表しています。

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合気道は型稽古を基本として稽古します。
合気道における型稽古とは、技をかける方と受ける方の役割と、どのような技を行うのか先に決めて、それを繰り返して術理の理解を深めながら身体を動かして鍛えていく稽古方法です。

これは非常に優れた効果をもたらす反面、無視出来ない問題があります。
型稽古では、状況(上図の赤丸)を設定し、動きの約束をして、約束通りに動きます(円内の直線)。
しかし型稽古で学んだ以外の状況が発生した場合、一体どのように対処すればいいのか分からなくなる可能性があります。それを表したのが下図です。

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それでも今のまま型稽古を続けていけば、いつかどうにか出来るように自分はなっているるだろう、つまり、合気道の稽古では想定していない状況を考えないで稽古をしていても、いつかは自動的に想定しない状況にも自分は対応出来るようになっているだろう、と思っていてどうかなるものかと言えば、それは各人の能力によると言えます。

神衛における実績から判断すると、型稽古としての強さは身に付くであろうという事は言えるようです。
それは下図のように円の内部の直線部分を太くして表現します。

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また上記の内容を受けて、型稽古だけを続けていけば、想定された状況により近い状況なら対応出来る可能性は高くなる、という事も言えるかもしれません。

正面打ちで始まる技のはずなのに、相手が間違えて横面打ちを打ってきた、だけど対応出来た、という例が考えられます。

下図のように表現します。

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直線は正面打ちとしての設定となっています。横面打ちは正面打ちと手の軌道はそれほど変わりません。タイミングは殆ど同じです。だから、横面打ちという状況を意味する赤丸の位置は、正面打ちの設定としての直線上にはありませんが、直線に近いところにあります。

上の左図は合気道をはじめたばかり、右図は熟練者、を意味しています。ある程度の熟練者ならば、正面打ちがくるところを横面打ちが来ても対処出来る可能性が高い事を図示しています。

養神館には自由技において「正面横面打ち自由技」という技法が制定されています。まさしく、正面打ちと横面打ちのどちらがきても対処出来る事を求めた技法です。

当団体の稽古場所にわざわざ出向き
「うちの道場には正面打ちを打つところを間違えて横面打ちでいったら対処出来る人がいた。だから、うちの道場も実戦対応を出来る道場だ。」
と言いに来た人がいます。その人がそう思うなら、それはそれで良いでしょう。ただ、実際はとんでもない間違いです。

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